#author("2017-04-10T00:34:11+09:00","","") #author("2017-05-03T23:54:33+09:00","","") *劇場版カードキャプターさくらとは [#i0d43273] 「劇場版カードキャプターさくら」とは、1999年に公開された、CCさくら劇場版の記念すべき第1作目である。時系列としては、[[テレビアニメ版>アニメ版カードキャプターさくら]]の第1期と第2期の間にあたり、さくら達は小学四年生で冬休みに入っている。 *あらすじ [#ocd2f379] さくら達は冬休み。何も予定が無いさくらと知世だったが、雑貨屋ツイン・ベルで行われたくじ引きでさくらは特等の香港旅行を当てる。都合の悪い父の藤隆の代わりに雪兎を誘い、桃矢、知世と共にさくらは香港へ旅立つ。香港が故郷である小狼と苺鈴と再会したさくらは喜ぶが、謎の[[魔道士]]の夢を見るようになり…。 #br '''''水は、流れゆくものですよ________''''' *概要 [#m7c71704] 1999年8月21日(土) 全国松竹洋画系にて公開された((同時上映はアニメーションクリップ『CLOVER』))。主題歌は「遠いこの街で」((作詞/作曲:皆谷尚美、編曲:鳥山雄司、歌:皆谷尚美))。上映時間は1時間22分である。観客動員数は50万人以上。第4回アニメーション神戸作品賞劇場部門を受賞した。 以下、詳細を列挙する。 -映画ポスターの絵は髙橋久美子氏の書き下ろしによる。前売り券特典ポスターはCLAMP書き下ろしである。 -当時コミックの帯に映画割引券がついており、当日窓口に持参すると一般・大・高校生は200円、中学生・小人(3歳以上)は100円引きになった。 -帯とは別に「特別優待割引券」も存在する。割引は同額。 -前売り券(特別鑑賞券)は種別ごとに3種類ある。いずれも絵柄は同じ。一般1,600円。 -劇場では公開2週目から入場者にポストカードが配られた。また、小学生以下の入場者にはケロちゃんうちわが配布された。 -本映画のロケハンは1997年初め、香港返還前に行われた。劇場版の構想はアニメ版が始まった頃からあった。 **作中 [#je978eed] -B747-400型機 -劇中のホテルは香港のリージェントホテルをイメージしている。当初ホテル室内のベッドカバーの色はグリーンになる予定だった。 -ホテル室内の調度品のモデルは、インターコンチネンタルグランドスタンフォード香港。 -飲茶屋は当時スタッフがロケハン時に実際に使用した店の雰囲気を用いている。モデルは陸羽茶室。 -バードストリートは、バードガーデンに移設。跡地にはランガムプレイスという商業施設が建設された。 -[[魔道士]]の間のモデルは、九龍城砦。 **使用されたカード [#j3d2237f] -ジャンプ -フライ -フリーズ(小狼) -ストーム(小狼) -ソード -アロー **リバイバル上映 [#i1f20d75] 2017年1月21日よりリバイバル上映が行われている((「なかよし」12月号で告知された))。上映館は全国9館((東京新宿:新宿ピカデリー/東京池袋:シネ・リーブル池袋/神奈川川崎:109シネマズ川崎/大阪梅田:大阪ステーションシネマ/大阪難波:なんばパークスシネマ/京都:MOVIX京都/愛知名古屋:109シネマズ名古屋/福岡:ユナイテッド・シネマキャナルシティ13/札幌:ユナイテッドシネマ札幌))。配給会社は松竹からワーナーに変更になっており、併映作品もなく単独上映である。以下、詳細を列挙する。 -リバイバル上映は当初2週間程度とされ、2月3日に名古屋と川崎で上映が終了した。2月16日には大阪ステーションシティシネマでも上映が終了、他館でも2月17日をもってリバイバル上映は終了した。 -前売り(ムビチケ)は通常版とコミケ91限定版がある。通常版は特典としてポストカード、限定版はムビチケカードがメッセージカードに納められている。 -入場者には先着でメインキャストのコメントとプリントサインが掲載されたリーフレットが配られた。~ #ref(./rivival.png,right,around,50%); -上映映像はHDリマスター映像で、配給元が変わったことから前後にワーナー・ブラザーズのロゴ、スタッフロール終了後に 「リバイバル上映 配給:ワーナー・ブラザーズ映画」が挿入される((フェードイン・アウト(ディゾルブ)を除いて約5秒間表示))。 -公開初日である2017年1月21日(土)の新宿ピカデリーでの上映に於いて舞台挨拶が行われ、木之本桜役の丹下桜、大道寺知世役の岩男潤子が登壇した(9:00の回上映終了後及び 11:30の回上映前) #clear **地上波放送 [#ya4bd6d7] -2017年5月5日深夜 NHKBSプレミアムにてニッポンアニメ100上位アニメ放送の一環として放映された。 *音楽 [#w1b19e89] **主題歌 [#g88b8e6f] -遠いこの街で~ 作詞/作曲:皆谷尚美、編曲:鳥山雄司、歌:皆谷尚美 **BGM [#jb4fae50] BGMについては、[[楽曲・主題歌]]を参照のこと。 *スタッフ [#sf34fcab] -原作:CLAMP -監督:浅香守生 -キャラクターデザイン:高橋久美子 -脚本:大川七瀬 -ゲストキャラクターデザイン/コスチュームデザイン:CLAMP -作画監督:桜井邦彦、高橋久美子、うえだひとし -美術監督:針生勝文 -色彩設計:勝沼まどか -撮影監督:白井久男 -音楽:根岸貴幸 -音響監督:三間雅文 -プロデューサー:池口和彦、小野達矢 -アニメーション制作:マッドハウス -製作:バンダイビジュアル、シェルティ、マッドハウス #br *フルスクリプト [#c740154a] &br;♪ &br;ケルベロス「きよるでさくら!」 &br;さくら「えっ」 &br;知世・苺鈴「あっ」 &br;さくら「ほえーーーーっ!」 &br;さくら「あっ」 &br;ケルベロス「まずい!」 &br;小狼「雷帝招来!」 &br;さくら「ありがとう李くん」 &br;小狼「よそ見をするな!」 &br;ケルベロス「今や!」 &br;さくら「うん」 &br;♪さくらのテーマII &br;さくら「風よ、戒めの鎖となれ。ウインディー!」 &br;さくら「ジャンプ!」 &br;さくら「汝のあるべき姿に戻れ!クロウカード!」 &br;苺鈴「むーっ!もうすこしで小狼がカードとるとこだったのにー!」 &br;知世「かわいいですわ、さくらちゃん」 &br;ケルベロス「よっしゃーようやったで。さすがはわいが見込んだだけはある。な、カードキャプターさくら。」 &br;さくら「えへ」 &br; &br;♪序曲 &br;タイトル:劇場版カードキャプターさくら &br; &br;♪水的誘惑 &br;さくら「ここ…どこだろう……水…」 &br;さくら「あれ…苦しくないよ…」 &br;クロウリード「水は、流れゆく、ものですよ」 &br;クロウリード「水は、流れゆく、ものですよ」 &br;さくら「ん、んん…夢かぁ…」 &br;ケルベロス「んん…」 &br; &br;寺田良幸「西村」 &br;西村「はい」 &br;寺田良幸「小林」 &br;小林「はい」 &br;寺田良幸「よくがんばったな」 &br;寺田良幸「近藤」 &br;近藤「はーい」 &br;寺田良幸「次は、もうちょっとがんばろうな」 &br;寺田良幸「清水」 &br;(清水「はい」) &br;さくら「はぁー」 &br;知世「いかかでした?」 &br;さくら「大丈夫だったー算数落ちてるかもって思ったけど」 &br;(寺田良幸「瀬川」) &br;(瀬川「はい」) &br;知世「よかったですわね」 &br;寺田良幸「大道寺」 &br;知世「はい」 &br;(寺田良幸「野村」) &br;(野村「はい」) &br;さくら「ん?」 &br;さくら「李くんも心配なの?」 &br;小狼「べ、べつに…!」 &br;苺鈴「大丈夫、私がついてるから」 &br;苺鈴「あ、わかった!おばさまにみせるのがいやなんでしょう」 &br;小狼「ち、ちがう」 &br;さくら「あ、ともよちゃん、どうだった?」 &br;知世「一学期と同じでしたわ」 &br;さくら「それって、すごくいいってことだよね」 &br;寺田良幸「李小狼、李苺鈴」 &br;苺鈴「はーい!」 &br;♪担心的通信本 &br;知世「苺鈴ちゃん、自信満々ですわね」 &br;さくら「うん。ね、知世ちゃんは冬休みどっかいくの?」 &br;苺鈴「なんでー!どうして満点じゃないのー!」 &br;寺田良幸「んー…香港から来たばかりだから国語がちょっとなぁ…」 &br;苺鈴「むー…」 &br;小狼「はぁ…よかった。これなら見せても…お」 &br;さくら「んぁ、えへへ(引き笑い)」 &br; &br;さくら「でもさすがともよちゃんだよねー」 &br;知世「いいえ、そんなことありませんわ」 &br;さくら「んーん」 &br;さくら「えっとー…うーん…」 &br;知世「んふ」 &br; &br;松本真樹「ありがとうございます」 &br;松本真樹「それ、冬休みの宿題用?」 &br;さくら「はい!」 &br;松本真樹「そうだ、じゃーん引いてみて」 &br;さくら「ほえ?」 &br;松本真樹「今、友枝商店街でやってる歳末企画なの。特賞は香港旅行よ」 &br;さくら「わぁ!」 &br;知世「さくらちゃんがんばってください」 &br;さくら「うん」 &br;松本真樹「友枝小学校の子たちもたくさん引いたんだけど、みんな参加賞だったのよねぇ」 &br;さくら「ほえ?…あれ?…あれ……ほえ?」 &br;松本真樹「何色だった?」 &br;さくら「わたしも、参加賞ですね」 &br;松本真樹「うーん…えーとー…」 &br;松本「と…」 &br;知世「と…」 &br;さくら「と?」 &br;ケルベロス「とくしょーー!?」 &br;さくら「じゃーん!」 &br;♪ &br;ケルベロス「こりゃすごいやないかー!」 &br;ケルベロス「へぇ~海外旅行!冬休みやしちょうどええやないかぁ」 &br;さくら「そうなの!わたし外国初めてだよ」 &br;ケルベロス「ほう、香港かぁ!なつかしなぁ!」 &br;さくら「ケロちゃん香港行ったことあるの」 &br;ケルベロス「ちょっとのあいだやけど、クロウといっしょにな」 &br;さくら「ふぅん、じゃあ、このクロウカードたちも香港行ったことあるんだー」 &br;ケルベロス「そのカードらは魔術師クロウ・リードが作ったもんやさかいなぁ」 &br;さくら「へぇ~、香港、どんなとこかなぁ」 &br;ケルベロス「まかしとき!わいがええとこ案内したるさかい」 &br;さくら「うん!」 &br;ケルベロス「ん、まてよ…」 &br;さくら「ん?どうしたの?」 &br;ケルベロス「たしかこの冬休み、お父さん出張やなかったっけ?」 &br;さくら「そういえば…」 &br;さくら・ケロ「はぁ……」 &br;藤隆「行っておいで」 &br;さくら「いいの?」 &br;藤隆「うん、せっかく特賞が当たったんだし、ぼくは行けないけど、桃矢くんが一緒なら大丈夫でしょう。」 &br;さくら「あ、でもお兄ちゃんバイト…」 &br;桃矢「当番5回」 &br;さくら「んん…え、でもいいんだ!」 &br;藤隆「じゃああと知世さんと、ぼくの代わりに月城君はどうかな」 &br;さくら「は…ぁ…」 &br;桃矢「大丈夫だと思うけど。あいつ、特に予定ないって言ってたし」 &br;さくら(うわぁ!やったぁ!) &br;♪突然,至香港! &br;さくら「うわぁ!わたし飛行機乗るの初めて!…ほえ?」 &br;さくら「ビデオ持ってきたの」 &br;知世「ええ、さくらちゃん香港旅行の巻、こんなすばらしい撮影機会を逃すわけにはいきませんわ!」 &br;知世「もちろん、撮影用のお洋服も持ってきましたの!香港についたら、ぜひ着てみてくださいね」 &br;さくら「はうー…」 &br;桃矢「おーい、搭乗時間だぞ」 &br;さくら・知世「はーい!」 &br;桃矢「おい、飛行機は靴脱いで乗るんだぞ」 &br;さくら「えっ、そうなの?」 &br;桃矢「うん」 &br;CA「お客様、どうぞそのままで」 &br;さくら「ほえ?」 &br;さくら「おにいちゃん!」 &br;桃矢「へっ」 &br;さくら「むううぅ…」 &br;ケルベロス「ぶわぁ…くるしぃ…なぁさくらまだつかへんのかぁ?…ぬぐぅ!」 &br;さくら「もうちょっと我慢して!」 &br;ケルベロス「そやけど…」 &br;雪兎「さくらちゃん」 &br;ケルベロス「むぐぅ!」 &br;雪兎「さそってくれてありがとう、僕、海外いくの初めてなんだ。楽しいこといっぱいあるといいね」 &br;さくら「うわぁ…!はい!」 &br;BELLMAN「Have a nice stay」 &br;さくら「うわぁ!」 &br;ケルベロス「むぐぅ」 &br;ケルベロス「さぐらぁぁぁ…」 &br;さくら「あっ!ごめんなさい」 &br;ケルベロス「わいのことかんっぜんに忘れとったやろ」 &br;さくら「えへへ…」 &br;ケルベロス「えへへあるかい!…ったく…ま、今日のところは懐かしい香港に免じて勘弁しといたろって…」 &br;さくら「へ?」 &br;ケルベロス「どこ?」 &br;さくら「はうー…」 &br;知世「香港ですわ」 &br;ケルベロス「これが…?香港!?」 &br;♪春宵情歌 &br;さくら「香港島ってすっごく近いんだね!」 &br;桃矢「ああ、これに乗ってるのも5分くらいだからな」 &br;さくら「ふぅん」 &br;桃矢「おい、あんまり乗り出してっとサメに食われちまうぞ」 &br;さくら「え?サメさんがいるの?」 &br;桃矢「ガイドブックに載ってた」 &br;さくら「ほえーっ」 &br;さくら「あっ!」 &br;桃矢「サメか?」 &br;さくら「うわぁー!」 &br;さくら「カモメさんカモメさんカモメさんカモメさーん!」 &br;雪兎「さくらちゃん、今日も元気だね」 &br;さくら「あの、わたし、ふね好きなんです」 &br;雪兎「ははは、ぼくもだよ」 &br;知世「さくらちゃん、いい感じですわぁ」 &br;ケルベロス「あとでわいも撮ってや」 &br;知世「はい」 &br;♪ &br;ケルベロス「ほんまにかわってしもうたなぁ」 &br;さくら「ケロちゃんが香港にいたのってものすごーく昔のことだったのね」 &br;ケルベロス「けど、気配は変わってない。昔とおんなじ魔の気配が残っとる。日本ではもう薄まってしもうた懐かしい気配や」 &br;ケルベロス「それに…」 &br;さくら・知世「あぁ?」 &br;ケルベロス「くいもんがうまい」 &br;さくら「あーっ!ケロちゃん!」 &br;知世「どうかしました?」 &br;ケルベロス「ん-?くじ運のよさそうやないさくらが特賞やなんて」 &br;さくら「なんですって!」 &br;ケルベロス「まぁ聞け」 &br;ケルベロス「世の中に偶然はないっちゅうのがクロウの持論やった。さくらが特賞当てたんもなんか意味があるかもしれん思うてな…」 &br;ケルベロス「なんてな!わいとしたことが香港の気にあてられてもうたかな?あはははは…」 &br; &br;♪水的誘惑 &br;さくら「また、だ…」 &br;さくら「あっ」 &br;さくら「だれ?…」 &br;さくら「ん…また、あの夢…だれなんだろう」 &br; &br;雪兎「それと、それを4つと、これも4つ。あとこっちのと、それも。」 &br;さくら・知世「ほえーっ」 &br;雪兎「とりあえず」 &br;雪兎「じゃ、食べよっか」 &br;さくら・知世「は、はい」 &br;さくら「ともよちゃん、半分づつにしない?」 &br;知世「ええ」 &br;ケルベロス「あ?」 &br;さくら「ケロ…!んぐっ」 &br;桃矢「ケロ?」 &br;♪食通先生桜 &br;さくら「んーん、やっぱり別のにしようっと」 &br;桃矢「カエルの足でもはいってたのか?」 &br;さくら「んーん、なんでもないの…どれにしようかな…」 &br;桃矢「今、戻したのくれ」 &br;さくら「えっ…同じの近くにあるでしょ、別にどっちだって」 &br;桃矢「それがいい」 &br;ケルベロス「お、おおおおい…」 &br;さくら「でも…」 &br;桃矢「そーれーがーいーい」 &br;さくら「えい…ほ…」 &br;桃矢「はやくよこせ」 &br;さくら「あ、はい」 &br;ケルベロス「ほほほほ…」 &br;さくら「はああ!やっぱりわたし食べる!」 &br;さくら「見てみて!美味しそうだよねー」 &br;知世「ほんとですわー!」 &br;さくら「お兄ちゃん、ごめんね」 &br;雪兎「とうや」 &br;ケルベロス「ああっ」 &br;桃矢「はぁ、これ食ったら、次はバードストリートに行くからな」 &br;さくら「バードストリート?」 &br;雪兎「鳥さんたちが、いっぱいいるところだよ」 &br;さくら「わぁ!」 &br; &br;さくら「すっごーい!とりかごがいっぱい!」 &br;雪兎「香港の人は鳥が好きで、自分の自慢の鳥をかごに入れて連れて歩いたりしてるんだって」 &br;さくら「そうなんですか」 &br;知世「わあ~」 &br;ケルベロス「バードストリートかー」 &br;知世「ご存じですの?」 &br;ケルベロス「このへんは昔とかわってへんみたいやなぁ」 &br;知世「あっ」 &br;ケルベロス「んあ?」 &br;さくら「かーわいいー」 &br;さくら「ふふふ」 &br;さくら「あっ…はっ…」 &br;♪ &br;知世「どうしました?」 &br;さくら「なんか、誰かにみられてたような…」 &br;ケルベロス「確かに妙な気配がする」 &br;さくら「まさか、クロウカードが香港にも?」 &br;ケルベロス「いや、こりゃちがう気配や。もっとこう…邪悪な…」 &br;雪兎「あれっ」 &br;桃矢「ん?」 &br;雪兎「あんなとこにも」 &br;桃矢「逃げたんじゃないのか」 &br;さくら「あの鳥!」 &br;♪漸近的緊迫感 &br;さくら「ああっ!」 &br;知世「さくらちゃん!」 &br;ケルベロス「わいらも追うんや!」 &br;桃矢「どうしたんだ?さくらのやつ」 &br;ケルベロス「はよう!」 &br;知世「すぐもどりますので」 &br;さくら「レリーズ」 &br;さくら「ジャンプ!」 &br;さくら「ええーい」 &br;さくら「いた!」 &br;さくら「なに?この感じ…」 &br;さくら「あっ」 &br;♪水的誘惑 &br;さくら「ああっ!」 &br; &br; &br;小狼「目を覚ませ!」 &br;さくら「んはっ」 &br;さくら「李くん?どうして、ここに…」 &br;さくら「あ、あっ、ほ、ほえ~っ!」 &br;小狼「うあ…」 &br;さくら「あうー…」 &br;知世「さくらちゃん、どちらまで行かれたんでしょう…」 &br;知世・苺鈴「あっ」 &br;知世「すいません、大丈夫ですか…はあっ」 &br;苺鈴「大丈夫だけどー…日本語?」 &br;知世「こんにちは」 &br;苺鈴「大道寺さん!どうしてあなたここにいるの」 &br;知世「さくらちゃんがくじ引きで、特賞を当てたんですの。それで…」 &br;ケルベロス「よう!小娘!」 &br;苺鈴「あら、ぬいぐるみも一緒」 &br;ケルベロス「なにぃ?」 &br;苺鈴「ちゃんと検疫通ったの?」 &br;ケルベロス「もういっぺんいうてみぃ!」 &br;ケルベロス「あ、あうぅ。う゛う~」 &br;苺鈴「ところで、小狼見なかった?」 &br;知世「あ…」 &br;苺鈴「さっきいきなり妙な気配がするとか言って走ってどっかいっちゃったのよ」 &br;知世「私もさくらちゃんを探してるんですが……あ!さくらちゃん!」 &br;苺鈴「小狼!」 &br;さくら「ともよちゃん」 &br;知世「どうなさったんですの?お怪我は、ありませんか」 &br;さくら「大丈夫だよ」 &br;知世「あぁ…びしょ濡れですわ」 &br;知世「小狼!」 &br;小狼「だぁっ!」 &br;苺鈴「どこ行ってたのよーもう」 &br;桃矢「さくらー!」 &br;桃矢「一人でどこ行ってたんだ!」 &br;さくら「ごめんなさい…あの…えーっと、水たまりに落ちちゃって…それで…」 &br;桃矢「ったく…」 &br;雪兎「あれ」 &br;苺鈴「なによー照れなくてもいいでしょー」 &br;雪兎「こんにちは」 &br;小狼「こ、こんにちは」 &br;苺鈴「こんにちは」 &br;苺鈴「もう…」 &br;知世「とりあえず、どこかで着替えないと…」 &br;さくら「うん」 &br;さくら「へくしゅっ…」 &br; &br;♪異国行 &br;知世「中華なさくらちゃんが撮影できるなんて…超ラッキーですわ」 &br;さくら「え、ともよちゃんこそ、すっごく似合ってるよ」 &br;知世「まぁ、ありがとうございます」 &br;李家四姉妹「きゃー…」 &br;さくら「ほえっ」 &br;李家四姉妹「いらっしゃーい」 &br;李芙蝶「かわいい~」 &br;李雪花「よくにあってるわ~」 &br;李黄蓮「いいわねぇ~」 &br;李緋梅「たべたいちゃいわね~」 &br;李家四姉妹「ほんとぉ~…いいわぁ~すべすべしてるぅ~…」 &br;知世「どちらさまでしょう」 &br;さくら「さ、さぁ…」 &br;桃矢「ったくよー、なんで俺たちまで着替えなきゃなんねーんだよー」 &br;雪兎「よく似合ってるよ桃矢」 &br;李緋梅「あっちもいいわね」 &br;李雪花「いいわね」 &br;李黄蓮「いいわ」 &br;李芙蝶「いい…」 &br;さくら「ほえ?」 &br;知世「え?」 &br;雪兎「でも、今朝のおかゆおいしかったね…あ」 &br;桃矢「ん」 &br;李家四姉妹「いやぁ~かっこいい~」 &br;桃矢「なんだ?」 &br;雪兎「さぁ…」 &br;李家四姉妹「どんな女の子がいいの~?」 &br;苺鈴「手伝うわ、小狼」 &br;さくら「あの人たち、李くんの」 &br;苺鈴「お姉様たち」 &br;さくら「四人とも?」 &br;小狼「ああ…」 &br;さくら「ほえ~」 &br;知世「明るいお姉様がたですわね」 &br;ケルベロス「なんやあやしいねーちゃんたちやなぁ」 &br;さくら「ケロちゃん!…ごめんね、李くん」 &br;♪優美的面影 &br;さくら(きれいな人…) &br;雪兎「はじめまして」 &br;桃矢「ども…」 &br;李家四姉妹「お母様…」 &br;さくら「え?おかあさま?」 &br;知世「お若く見えますわね」 &br;さくら「うん」 &br;ケルベロス「ばけもんのおやだまみたいやなぁ」 &br;さくら「ケロちゃん!」 &br;知世「否定なさいませんわ」 &br;さくら「う、うん…」 &br;さくら「あぁっ、は、はじめまして。木之本桜です。今日は、すてきなお洋服を貸して…」 &br;さくら「えっ…?」 &br;李夜蘭「強い力を感じます。クロウカードを持っていますね」 &br;李夜蘭「強い力は、困難を引き寄せるきっかけとなることもあります」 &br;李夜蘭「特にこの香港では」 &br;李夜蘭「泊まって行きなさい」 &br;小狼「えぇっ」 &br;李家四姉妹「やったー!」 &br;李夜蘭「小狼、通知表を出しなさい」 &br;(注:背後の四姉妹の会話は省いてあります。聞き取った方がいれば適宜編集をお願いします。) &br; &br;ケルベロス「ふぬぉぉあああ、あー、なんか今日は肩こる一日やったなぁ~」 &br;知世「綺麗なお母様でしたわね~」 &br;さくら「うん、すてきだったね」 &br;さくら「それに、不思議な感じの人だった」 &br;知世「そうですわね」 &br;ケルベロス「あの母ちゃんもすごい力の持ち主やで。さすがはクロウ・リードの血縁や」 &br;ケルベロス「クロウのおかあはんの実家は、中国でも有名な道士の家計やったさかいなぁ」 &br;知世「クロウさんはとっても有名な魔術師さんでしたわよね」 &br;ケルベロス「おそらく当時で最強のな~。でもま、根性まがっとったし、敵もおおかったけど」 &br;知世「まぁ、そうでしたの」 &br;知世「でも、こんなことならお洋服を持参するべきでしたわ。ホテルに戻ったら、ぜひ着替えてくださいね」 &br;さくら「う、うん」 &br;知世「そして、香港の街を舞うさくらちゃんを…」 &br;ケルベロス「ワイもとってぇ~ん…」 &br;さくら「おやすみともよちゃん」 &br;知世「おやすみなさい」 &br;さくら(李夜蘭「強い力は困難を引き寄せるきっかけとなることもあります。特にこの香港では…」) &br;♪夢中女 &br;さくら「また…この夢だ…」 &br;さくら「あなた…だれ…?だれなの…?」 &br;魔道士「ずっと…まっていた」 &br;さくら「ほ、ほ…」 &br;魔道士「ずっと…まっていた」 &br;魔道士「ずっと…長い間、おまえだけをまっていた」 &br;さくら「うぇ、あっ…あっ!」 &br;魔道士「長い間、おまえだけを…」 &br;さくら「…あーーーーーーっ!」 &br;ケルベロス「どないしたんやさくら!さくら!」 &br;知世「大丈夫ですか」 &br;さくら「夢…あ、…あっ!」 &br;ケルベロス「こりゃただの夢とちゃうで」 &br;さくら「は、はい」 &br; &br;♪給我力量 &br;李夜蘭「玉帝有勅、神硯四方、金木水火土雷風、雷電神勅。玉帝有勅、神硯四方、雷風、雷電神勅、軽磨霹靂電光転、急急如律令!」 &br;李夜蘭「あなたは呼ばれてこの香港に来たようですね」 &br;さくら「誰にですか?…あっ」 &br;李夜蘭「夢の中の女に。気をつけなさい、今までとは比べものにならないほどの危機がせまっています」 &br;さくら「わたし…どうしたら」 &br;李夜蘭「あなたの進むべき道を知っているのは、あなただけです」 &br;李夜蘭「力の強い物は魔を呼び込みやすい。特にあなたはクロウ・リードが作ったクロウカードを持つ者、呼ぶ魔もそれだけ大きくなります」 &br;李夜蘭「けれど、それ故の導きもある。あなたを誘う魔も夢の中、そして助けるのもまた夢の中。」 &br;さくら「あ…」 &br;李夜蘭「大丈夫、あなたならきっと答えがみつかります」 &br;♪ &br;李家四姉妹「やだ~もういっちゃうの~…」 &br;苺鈴「昨日ほんとに泊まったんだ」 &br;知世「ええ」 &br;苺鈴「むー、私も泊まればよかった」 &br;知世「えへ」 &br;さくら「あの、いろいろありがとうございました。…あ…」 &br;小狼「あ…あ…あっ…」 &br;桃矢「おーい、そろそろいくぞー」 &br;李家四姉妹「えーっ」 &br;さくら「あ、はい!」 &br;桃矢「えーじゃないんだよ」 &br;李夜蘭「水に気をつけなさい」 &br;さくら「水?」 &br; &br;苺鈴「奥のナイフみたいなのがバンクオブチャイナ、で、屋上に大砲がデザインされているのが香港上海バンク」 &br;苺鈴「ここは、香港経済の中心地で、ふたつの銀行はライバル同士なの」 &br;雪兎「へー」 &br;ケルベロス「やっぱりさくらが香港来たんは偶然とちゃうかったみたいやな」 &br;♪ &br;さくら「じゃあ、私がくじ引きあたったのも全部あの夢の中の人の仕業なの?」 &br;知世「そんなこと、できる方がいらっしゃるんでしょうか…」 &br;ケルベロス「わからん…けど、そうやとしたらなんでさくらを」 &br; &br;苺鈴「どーして私たちが一緒にいなきゃいけないの!?」 &br;小狼「しかたないだろ、母上がそうしろって言うんだから」 &br;苺鈴「ふん、観光案内してあげなさいって?」 &br;小狼「ちがう」 &br;苺鈴「じゃあなによ!」 &br;小狼「何か、危険がせまってるらしい」 &br; &br;さくら「きれー」 &br;さくら(そういえば、夢の中の女の人も綺麗な髪飾りしてた…) &br;雪兎「きれいだね」 &br;さくら「はい…」 &br;雪兎「これ、ください」 &br;さくら「えっ?そんな、わたし、あ、あのっ!雪兎さん!わたし…」 &br;雪兎「はい」 &br;さくら「あ…」 &br;雪兎「きっと似合うよ」 &br;さくら「わぁ…あ、ありがとうございます!」 &br; &br;小狼「くっ…くっ…」 &br;苺鈴「どうしたの?」 &br;小狼「なん…でもない…」 &br;小狼「おっ」 &br;さくら「あっ」 &br;♪小鳥的圏套 &br;雪兎「さくらちゃん?」 &br;桃矢「おい、さくら!」 &br;小狼「っ!」 &br;桃矢「バカ!」 &br;桃矢「ったく!」 &br;さくら「ケロちゃん!もう出ても大丈夫だよ!」 &br;ケルベロス「魔の気配がする!それも、むちゃ強い!」 &br;さくら「うん!」 &br;ケルベロス「あれが、夢にでてきたっちゅう鳥か?」 &br;さくら「うん!」 &br;ケルベロス「ありゃあただの鳥やないで。きいつけや、ものごっつい魔力をもっとる」 &br;ケルベロス「あっ」 &br;さくら「あっ!」 &br;さくら「入ってこいってこと?」 &br;ケルベロス「そうらしいな」 &br;♪被隠蔵的秘密 &br;ケルベロス「だぁれもおらんみたいや」 &br;さくら「うん…あっ」 &br;ケルベロス「どないした」 &br;さくら「水の音してない?」 &br;ケルベロス「してる」 &br;ケルベロス「この本からや」 &br;さくら「あ…この人……」 &br;ケルベロス「あぁ?…うわあぁあ」 &br;ケルベロス「おぉいさくら、なにを…あぁ?」 &br;魔道士(おいで…) &br;ケルベロス「あぁ、ああっ!…さくら!しっかりせい!」 &br;魔道士(おいで…) &br;ケルベロス「ぐぬぬ…ふぬぬ…」 &br;魔道士(こっちへ…おいで…) &br;ケルベロス「ふぬ……しゃあない…」 &br;雪兎「さくらちゃん!」 &br;ケルベロス「げっ!」 &br;桃矢「おめぇよぉ…あちこち探し回ったんだぞ!」 &br;小狼「この気配…」 &br;桃矢「さくら?」 &br;桃矢「さくら!?どうしたんだ!おい!」 &br;さくら「あっ…?」 &br;苺鈴「な、なに!?」 &br;桃矢「あっ」 &br;さくら「あ、あ、あぁっ!」 &br;さくら「あっ!」 &br;ケルベロス「大丈夫か」 &br;さくら「ケロちゃん…」 &br;ケルベロス「正気に戻ったみたいやなぁ」 &br;さくら「ねぇ、これって夢の中?」 &br;魔道士「夢ではない」 &br;さくら・ケルベロス「はっ」 &br;♪水魔界 &br;魔道士「ここは、私が魔力で作った世界」 &br;ケルベロス「ええっ?」 &br;魔道士「なぜあいつではないのだ」 &br;ケルベロス「おまえは、さっきの本の!」 &br;魔道士「なぜおまえのような小娘がここへ来たのだ!」 &br;さくら「ああっ!」 &br;魔道士「答えよ!」 &br;ケルベロス「さくら!」 &br;さくら「うん!」 &br;さくら「フライ!」 &br;魔道士「クロウカード!」 &br;魔道士「なぜ、なぜおまえがクロウカードを持っている!」 &br;さくら「あっ!…」 &br;さくら「あの人、クロウカードのこと知ってるみたい!」 &br;ケルベロス「ああ…」 &br;ケルベロス「ああっ、さくら、前!」 &br;小狼「フリーズ!」 &br;魔道士「クロウカード!」 &br;さくら「李くん!」 &br;魔道士「おまえも…クロウカードを…」 &br;さくら「どうしてここに?」 &br;小狼「水に飲まれた後、気づいたらここにいた」 &br;さくら「じゃあ、あそこにいたみんな…」 &br;小狼「どこかにいるはずだ」 &br;さくら「はやく探さなきゃ…」 &br;魔道士「探さずともよい、おまえたちと共に取り込んだ者はそこにいる」 &br;小狼・さくら「あっ?」 &br;♪ &br;小狼・さくら「あっ!」 &br;魔道士「私はクロウ・リードを呼んだのだ。なのになぜ?」 &br;ケルベロス「あのねーちゃん、どっかで…」 &br;魔道士「クロウ・リードはどこだ」 &br;小狼「二手に分かれるぞ」 &br;さくら「え?」 &br;小狼「俺が奴の動きを止める。その隙におまえはみんなを助け出すんだ」 &br;さくら「うん」 &br;魔道士「クロウリードはどこだ!」 &br;小狼「いくぞ!」 &br;さくら「はい!」 &br;♪拿出勇気 &br;小狼「ストーム!」 &br;魔道士「んあっ…あっ!」 &br;さくら「ソード!」 &br;さくら「えぇぃ!フライ!」 &br;さくら「ケロちゃん!」 &br;ケルベロス「ふぬぬぬ…」 &br;さくら(あっ…苺鈴ちゃん…おにいちゃん、……雪兎さん…) &br;さくら(まっててください、すぐもどってきます) &br;ケルベロス「さくら、はよう!」 &br;さくら「うん!」 &br;小狼「くそ、だめか!…あっ」 &br;ケルベロス「気づいたか、ともよ!」 &br;さくら「よかったぁ!」 &br;知世「わたし一体…ここは?」 &br;ケルベロス「とりあえず、説明はあとや」 &br;さくら「うん」 &br;♪憤怒的凶暴 &br;魔道士「貴様ら…許さん!」 &br;魔道士「許さん!」 &br;さくら「ケロちゃんはここにいて!」 &br;ケルベロス「さくら!」 &br;知世「さくらちゃん!」 &br;さくら「李くん!李くん!」 &br;さくら「李くん!返事して!」 &br;小狼「に、逃げろ!」 &br;小狼「逃げるんだ」 &br;さくら「えっ!」 &br;小狼「くるな!おまえたちだけでも逃げるんだ!」 &br;さくら「でも……ああっ!」 &br;小狼「上空は魔力が弱い、上に飛べば逃げれるはずだ」 &br;魔道士「黙れ!」 &br;小狼「だぁっ!」 &br;さくら「李くん!」 &br;魔道士「クロウ・リードが来ぬのであれば、そなたらの魔力を奪い、自ら探し出すまでのこと」 &br;魔道士「貴様も我が糧となるがよい!」 &br;ケルベロス「さくら!とりあえず逃げるんや!」 &br;小狼「にげ…ろ…」 &br;ケルベロス「このままやったら、みんな捕まってまう!」 &br;ケルベロス「さくら!」 &br;魔道士「おのれ!逃がさん!」 &br;ケルベロス「あれが出口や!」 &br; &br;知世「さくらちゃん…」 &br;さくら「わたしのせいで…みんな…」 &br;ケルベロス「さくらのせいやない!わるいのはみんなあの本の中の…」 &br;さくら「ほん…あの本!」 &br;ケルベロス「そういえば…」 &br;知世「本?」 &br;ケルベロス「ともよはわからんかったやろうけど、わいらがさっきまでおったんはある本の中の世界やったんや」 &br;知世「じゃあ、その本があればみなさんを…、どんな本ですの?」 &br;ケルベロス「たしか…こう、古うて妙な気配のする……気配が消えてもうとる」 &br;さくら「ない…どこにもないよ…」 &br;ケルベロス「さくら…」 &br;さくら「李くん、苺鈴ちゃん…おにいちゃん……ゆきとさん…」 &br;ケルベロス「しっかりせぇ、とにかくなんとかしてあの女魔道士を…」 &br;ケルベロス「あーーーっ!あのおんな!おもいだしたぁ!」 &br;さくら・知世「え」 &br;店主「お客さんですか、少々お待ちください」 &br;知世「だれかきますわ」 &br;ケルベロス「とりあえず、ずらかるで」 &br;さくら「う、うん」 &br;店主「お客さん、日本の人?何ほしいか?…ぁ?」 &br; &br;ケルベロス「あの女はな、昔ここ香港におった占い師のねーちゃんや」 &br;さくら「占い?」 &br;ケルベロス「せや、たしか水占い言うたかな。水面にいろんなもんを映し出してみせるんや」 &br;ケルベロス「そこそこ評判もよかったらしいけど…」 &br;さくら「けど?」 &br;ケルベロス「ある日、クロウ・リードが現れた」 &br;♪ &br;ケルベロス「クロウは別に占い師やない、せやけど片手間にやっとった占いがよう当たるもんやから、あのねーちゃんの商売あがったりになってもうてな」 &br;知世「まぁ…」 &br;ケルベロス「それからはことあるごとにクロウに戦いを挑んでくるようになりおった」 &br;知世「でも、そんなに昔の方なら、既になくなっているのでは…」 &br;ケルベロス「術や」 &br;さくら「術?」 &br;ケルベロス「死んだあともあの本に自分のおもいだけ移してあるんや。むっちゃ難しい術で、よっぽど根性なかったら何十年も持つ術はかけられへん。たぶん今となっては自分が死んどるっちゅう自覚もないやろうけど」 &br;ケルベロス「あのねーちゃんよっぽどクロウのことうらんどったんやなぁ」 &br;さくら「ていうことは、術の目的って?」 &br;ケルベロス「クロウを本の中に封じ込めるつもりやったんちゃうか?」 &br;知世「それでクロウカードを持っているさくらちゃんが引き寄せられたんですね」 &br;さくら「でも、どうしたらもう一度本の中に入れるんだろう。はやくしないとみんなが…」 &br;ケルベロス「うーん、あの手の空間には必ず出入り口があるはずやねんけど、さっきの店からもう気配がきえてもうてた」 &br;さくら「あの本ももうなくなっちゃったし…」 &br;さくら「本…」 &br;♪ &br;さくら「私知ってる…あの本の表紙」 &br;ケルベロス「えぇ?」 &br;さくら「あの女の人がいた場所…あの井戸だ」 &br;ケルベロス「さくら…なんかわかったんか?」 &br;さくら「うん!私入り口知ってるよ、昨日そこまで行ってるの!」 &br;知世「じゃあ、みなさんのところに行けますわね!」 &br;さくら「うん!」 &br;ケルベロス「よっしゃぁ!カードキャプターさくらの出番や!」 &br;さくら「うん!」 &br;知世「では、さっそく着替えを」 &br;さくら「はうー」 &br; &br;ケルベロス「ここか?」 &br;さくら「うん」 &br;ケルベロス「確かにびんびん気がつたわってきよる」 &br;さくら「あっ」 &br;ケルベロス「あああ…」 &br;♪ &br;知世「さくらちゃん」 &br;ケルベロス「これは結界や」 &br;さくら「結界?」 &br;ケルベロス「井戸のまわりに強力な結界がはられとる」 &br;知世「どうしたらいいんでしょう…」 &br;ケルベロス「くやしいが、今のわいらの力ではどうにもならん」 &br;さくら「そんな…!」 &br;ケルベロス「あぁ?」 &br;知世「どうなさいました?」 &br;ケルベロス「誰かきよる」 &br;知世「こちらへ」 &br;ケルベロス「お、おう」 &br;さくら「李くんのお母さん!」 &br;李夜蘭「下がっていなさい」 &br;さくら「あの、どうして…」 &br;李夜蘭「小狼の気が途切れました」 &br;さくら「それは私が…」 &br;李夜蘭「いいえ、違います。ただ、あれの力が及ばなかっただけ…」 &br;ケルベロス「ごっつい魔力や…」 &br;李夜蘭「行きなさい」 &br;さくら「は、はい!ともよちゃんはここにいて」 &br;知世「さくらちゃん! 気をつけてくださいね」 &br;さくら「うん!」 &br;さくら「この服、すごく動きやすいよ」 &br;知世「完全防水になっていますから、水の中でも大丈夫です」 &br;知世「さくらちゃん…」 &br; &br;さくら「ここは?」 &br;ケルベロス「次元のトンネルや。まわりようみてみ」 &br;ケルベロス「いろんな空間と繋がっとる、ここで迷子になったら一生出られへんで!」 &br;さくら「どうすればいいの?」 &br;ケルベロス「おもうんや!」 &br;さくら「えっ?」 &br;ケルベロス「さくらのつようおもう気持ちがあれば、そこに出られるはずや!」 &br;さくら(みんなのところへ…!) &br;ケルベロス「あれや!」 &br;さくら「ここじゃない…」 &br;さくら「どうしよう、違うところに出ちゃったみたい」 &br;ケルベロス「いや、この気配は」 &br;さくら「あっ!」 &br;♪黒闇的踉踪者 &br;ケルベロス「こっちや!」 &br;さくら「バードストリート」 &br;ケルベロス「どうやらいろんな空間がまざってもうとるみたいやな」 &br;ケルベロス「いくで!」 &br;さくら「うん!」 &br;ケルベロス「気配がだんだん大きなっとる、近いで!」 &br;さくら「ここから気配がする」 &br;ケルベロス「あぁ…」 &br;ケルベロス「さくら」 &br;さくら「うん」 &br; &br;♪最后的反撃 &br;魔道士「また貴様か。なぜ戻った」 &br;さくら「お願い!みんなを返して!」 &br;魔道士「返して欲しくば、クロウ・リードを連れてこい」 &br;ケルベロス「いくら連れてきたてもできへん!クロウはもう…!」 &br;魔道士「ずっと、まっていたのだ」 &br;魔道士「クロウが来るのを、ずっと…」 &br;ケルベロス「人の話は最後まできけぃ!…ったく!」 &br;さくら「あの人…」 &br;ケルベロス「な、なんや?」 &br;さくら「ああっ!」 &br;さくら「みんな…」 &br;魔道士「これが最後だ。クロウ・リードはどこだ」 &br;ケルベロス「せやからクロウはもうおらへんちゅうとるやろ!」 &br;魔道士「ならば、ここで朽ち果てるがよい!」 &br; &br;魔道士「ここは…」 &br;ケルベロス「さくら!」 &br;さくら「うん!」 &br;♪開始反撃! &br;さくら「闇の力を秘めし鍵よ、真の姿を我の前に示せ。契約の元、さくらが命じる。レリーズ!」 &br;さくら「フライ!」 &br;知世「さくらちゃん!」 &br;李夜蘭「きます」 &br;さくら「あの人は!?」 &br;ケルベロス「上や!」 &br;魔道士「ここはどこだ!クロウ・リードをどこへやった!」 &br;さくら「クロウさんはもう!」 &br;ケルベロス「さくら!にげてばっかりやったらどうにもならんで!」 &br;さくら「でもみんなが!」 &br;ケルベロス「うわさくらぁぁーーーー!」 &br; &br;魔道士「言え、クロウ・リードはどこにいる」 &br;さくら「クロウさんはもういないの」 &br;魔道士「うそをつけ!」 &br;さくら「ほんとうなの!ずっと前になくなってるの」 &br;魔道士「うそだ!」 &br;魔道士「あいつが死ぬはずがない…クロウ・リードが…クロウ・リードが…死ぬはずがなーい!」 &br;さくら「ああっ!」 &br;魔道士「ずっとまっていたのだ…ずっと…」 &br;♪ &br;魔道士「私の全ての力で、クロウを呼び続けた」 &br;魔道士「何年かかっても、何十年かかっても…」 &br; &br;♪魔術師的愛恋 &br;魔道士(このような物をもらういわれはない) &br;クロウ・リード(今日は、あなたの誕生日でしたよね) &br;クロウ・リード(それはあなたに差し上げたのです。不要ならすててください) &br; &br;さくら(やっぱり…この人…) &br;クロウ・リード(水は、流れゆくものですよ) &br;さくら(水は、流れゆく…) &br;さくら(あ、そうだ…) &br;♪(さくらのテーマII) &br;さくら「アロー!」 &br; &br;魔道士「おのれ…」 &br;さくら「クロウさんのこと、ほんとうに好きだったんだね」 &br;さくら「つらいよね…大好きな人がいなくなるのは…つらいよね……」 &br;魔道士「クロウ・リードは、ほんとうに死んだのか?」 &br;魔道士「ずっと、ずっとまっていたのに…」 &br;♪被泪水湿透的髪飾 &br;魔道士「長い間、ずっと」 &br;魔道士「会って、言いたいことがあったのに…」 &br; &br;クロウ・リード(水は、流れゆくものですよ) &br;さくら「あの声、クロウさんだったんだ…」 &br;さくら「李くん、苺鈴ちゃん…お兄ちゃん……雪兎さん…!」 &br; &br; &br;桃矢「父さんの土産、なにがいいと思う?」 &br;雪兎「うーん、お茶とかどうかな」 &br;桃矢「お茶?」 &br;知世「明日はもう、日本ですわね」 &br;さくら「うん」 &br;ケルベロス「なんやさんざんやったなぁ、特に昨日は」 &br;さくら「そんなことないよ、わたしもいいたいもん、自分のほんと気持ち、わかってほしいもん」 &br;ケルベロス「あぁ?」 &br;さくら「あの人、クロウさんに言いたいことがあったんだよ、どうしても言いたいことが」 &br; &br;♪遠いこの街で &br;さくら「わたしはいつか、言えたらいいな」 &br;知世「また、香港に来られるといいですわね」 &br;さくら「うん!」 &br;